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今日はボーヌとお別れ、最終目的地パリへ向かう日。早めに朝食を取り、タクシーでルヴェルノワを後にする。レセプショニストのマダムが「またおいで下さい」。きっとまた来ようと思う。
タクシードライバーは恰幅の良い中年男性。愛想の良い人だ。ニコニコしながら分厚い表紙のノートを手渡された。良かったら記念にサインして下さいとのこと。ページをめくると世界各国からの旅人サインやメッセージ、名刺、写真などが貼り付けられていた。日本人も多く、ワイン関係者の名前もちらほら。何でもボーヌじゃタクシー会社はここくらいのものらしい。昨日、一昨日と案内してくれたハンサムなドライバーはこのおじさんの部下だって。揺れる車内でひとことメッセージを残してボーヌ駅へ降り立つ。
パリまでは途中ディジョン経由で向かう。まずは11:02の在来線に乗るのだけれど、こんなに日本人がいたのか、と改めて驚いた。10人以上は見たと思う。ちょうどパリにお昼過ぎに着くTGVに接続しているからなのだろう。
ボーヌを出発、列車はコートドールをなめるように走る。途中、ニュイ・サン・ジョルジュ、ジュヴレ・シャンベルタンといった駅を通ってディジョンへ到着。乗り継ぎ時間はわずか8分。見知らぬ駅、急がねば。本当に早足で移動したのでこの駅の印象は残念ながら全くなし。パリへのTGV6762号、11:32発。ヴァカンスシーズンの真っ只中、しかもパリ祭りも近いということもあるのか、超満員の車内。4人がけ向かい合わせのシートに座る。向かいはフランス人のおばあさん。笑顔を交わす。ディジョンからの風景は穀倉地帯が延々と続く単調そのもの。朝早かったこともあり、睡魔に襲われウトウトする私たち夫婦。車内放送の音で目を覚ます。大穀倉地帯のど真ん中で停車しては走り、のろのろ運転の末、ついにぴたっと止まってしまった。不思議そうな顔をしていると、向かいのおばあさんがフランス語でなにやら身振り手振り交え一生懸命言ってくれている。火、という単語が聞き取れた。どうやら火事が沿線で起こったらしい。すると通路を挟んだ向こう側の席の子連れの女性がメモを書きながら到着時間を説明してくれた。大幅に遅れるよう。まぁ少しくらいの遅れは構わないのでのんびり車窓を眺めていた。
パリ・リヨン駅(Gare de Lyon)には1時間遅れで14時過ぎに到着。やはりここも混んでいるようで、タクシー乗り場も長蛇の列。黒人ドライバーのタクシーに乗り込む。パリのドライバーといえば何となく愛想が悪いという印象を持っていた私。しかし、このドライバー、やたらおしゃべり好きで、英語を勉強しているらしく、「英語はしゃべれるか?英語が話せると良い。世界中どこでも行けるからねえ」としきりに英語というものをほめていた。フランス人らしくないなぁと不思議。タクシーは混雑している右岸を避けて左岸のセーヌ沿いを通り、クレベール通りの ホテルへ到着。今日から2泊するホテル、ラファエル(Raphael)。(→ホテルについてはこちら)
いかにもパリの高級ホテルらしい佇まいの外観、入ってすぐの大きなカウンターはコンシェルジュが数名いて、絵画や骨董が飾られた長い廊下の奥のほうにひっそりとレセプションがある。今部屋は準備中ですので、ラウンジでお待ち下さいとのことで、荷物を預けお言葉に甘えてシック&ゴージャスな英国風ラウンジでシャンパンをいただきながら待つことに。このホテルは相当古めかしい。エレベーターだって手でじゃばらの扉を開けるのだから。
部屋で荷解きを簡単に済ませ、両親の部屋へ。しばしボーヌの話などして、パリの街へ繰り出す。この瞬間がいつもたまりません。久しぶりのパリの街を歩くだけでも心躍る感じ、16区の静かな住宅地を歩いてギメ美術館(Musee
Guimet)へ。ここは東洋美術、仏教美術に関するコレクションが凄いとだんなさんが行きたがっていたところ。私はてんでちんぷんかんぷんなのだけど、あぁこのコレクターはこういうのが好きなのか、面白い飾り方だわ、などと結構楽しめた。お次はメトロでマドレーヌ通りに出来たばかりの大きなワイン店ラヴィーニャ(LAVINA)へ。マドレーヌ通りのブティックが立ち並ぶ中に同じようなモダンでお洒落な店構え。中はいくつかのフロアに分かれていて、インターナショナルで幅広い品揃えにさすがパリだなぁと感心。もちろんフランス国内のワインも中々充実していて、日本とはまた違った商品構成で面白かった。と、結構場所柄日本の方も多いようで、日本人の店員さん(そのときは不在だった)も常駐しているとか。奥のガラス張りのセラーに吸い込まれるように入って行く。かなり寒いけど、見てて飽きない。さて、今晩は両親の部屋でルームサービスの食事をするので、何か泡をということで、ビルカール・サルモンのロゼを買って店を後にする。小腹が空いたので、マドレーヌから少し入ったところのカフェでバゲットに何かのパテが乗せてあるのとレモンスカッシュを頼んでひと休み。歯が折れそうなくらい固いバゲットで食べるのに苦労したけど中々美味しかった。
もう少しワインを見ようと、マドレーヌのニコラ、フォション、エディアールへ。ニコラは特に何も欲しいものは無く、他の支店より少しだけボルドーのグランヴァンがあるかなという程度。フォションは地下の売り場を大改装した模様。昔はホコリかぶった倉庫みたいだったのに。キレイに並んでいて、赤と白で売り場を分けているのが面白く、ボーヌで飲んだアラン・グラのバックヴィンテージを見つけたので1本だけ買う。そして最近はちみつが気になる私たち夫婦、2階へ上がると日本人旅行客の大群にひるみそうになりながらも、ワインに合いそうなパテなど色々な瓶詰めをかごに入れていたら、見覚えのあるラベルが目に入った。行きのJAL機内誌で見た、オペラ座の屋根裏に巣を作った蜂のはちみつだった。機内ではこういうのお土産にいいかも・・と漠然と話してただけなのだけど、これは話の種になる、彼の職場の人たちのため、それから自宅用に包んでもらった。 フォションのほかのハチミツより2倍と値が張るものなのだけど、これは楽しみ。
お次はエディアールへ。ここはワイン売り場はちっちゃいけれど、超ド級のシャンパーニュ(ボランジェのフランセーズやクリュッグのコレクションとか)がさりげなく置かれている。すぐ側にチーズ売り場があって、今晩食べるチーズを買うことに。売り場の人に今日あけるワインに合うものを聞いたら、ワイン売り場でニコニコしていたソムリエまでやってきてチーズ売り場の人とで3〜4人がかりで選んでくれたチーズ。(銘柄は忘れたけれど)日本で買うよりはるかに安い。食べ切れるか不安なくらいのボリュームだし。
ちらちらとブティック覗きながらメトロ(だったと思う)でホテルへ戻る。ちょっぴり広くて豪華な両親の部屋でルームサービスをオーダーして今日買ったワイン、ボーヌから持って来たワインを並べてミニパーティ。男性スタッフがやってきて唄うようにしゃべりながら楽しげにテーブルをセッティングしてくれた。母がキャビア・カスピア(Caviar
Kaspia)で買ってきたきれいなスモークサーモン、私たちが買ってきたチーズも並べて、のんびりディナー。ワインはどれも美味しかったし、満足満足。両親は明日朝早く日帰りでモンサンミッシェルへ行くので早めに切り上げる。

Wine:
Bilcart Salmon, Brut Rose NV
Alain Gras, Saint-Romain 01
Louis Jadot, Saint-Aubin 86
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