- Menu -
準備編
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
7日目
8日目
9日目
10日目
11日目
ホテル
+ Top
+ Travel Diary
+ Home
5日目 雨のサンテミリオン、ポムロール。そして感激。

朝、またまた早く目が覚めてしまう。いそいそと下着類をお洗濯。今回は移動が多いので、なかなか干す時間が無いけれど、ここはパウダールームに暖房があるので助かる。夫が起きてきたので、ベッドの上に地図を広げ、今日どこへ行くか相談する。
朝食は昨日食事したレストランとは反対側のカフェでビュッフェスタイルで。窓の外は雨模様。今日も畑散歩とシャトー訪問の予定なのに。結構雨足も強いらしい。
意を決して街へ出て行く。雨に濡れた石畳を歩き、まずはメゾン・デュ・ヴァン(Maison du Vin)へ。朝早かったせいか、閑散としていて私たちだけ。ワインはさほど目を引くものは無かったので、近くの教会、コレジアル教会(Eglise Collegiale)で雨宿り。

その後何軒かのワインショップを覗く。大体英語が通じるところが多いし、海外への発送もOKとの表示がある。その中で目を引いたのが2軒。1軒はETS Martinというかなり目立つショップで、地下のセラーのコレクションも実に立派。日本からのお客さんも多いらしく、日本のワイン雑誌「ワイナート」が置いてあった。もう1軒がその斜め向かいほどに位置するお店でここで素晴らしい掘り出し物を2本ほど見つけてお持ち帰り。急な坂道をこわごわ降りて行くと、まだまだワインショップは沢山ある。これほどの密集度は今まで見たことが無い。そして店の人たちは大体親切で話し好き。私達の住む奈良に行ったことがあるというおじさんも居たりして。あと、旅でどんなところを回るのか興味深々らしい。ワインも有名で日本で手に入るものばかりでなく、店主おすすめのワインなども試飲して気に入ったので買ってみたりした。

そして坂道の途中で見つけたライヨールの専門店!お店へ入ると奥の工房から男性が出てきて応対してくれた。どんな風に作っているのか、柄の材料はそれぞれどんなものを使っているのか、など丁寧に説明してくれた。私達夫婦用にナイフを2本選んで頂いた。木製で日常使いにも耐えられる丈夫な柄のもので、シルバーと白木のコンビがモダンな食器にも合いそう。思いがけず、憧れのライヨールのテーブルナイフを手に入れることが出来て嬉しくなった。で、ここで素朴な疑問を投げかけてみた。ライヨールとラギオール。どちらが発音は正しいのかと前々から疑問に思っていた。すると、こういうことらしい、ライヨールは地元の言葉、ラギオールはフランス一般の発音。だからどちらでも良いんですよーとのこと。
いつかはラギオールへ行ってみたい。(実は今回の旅行でラギオールのミッシェル・ブラへ泊まりに行くつもりが満室で断念していた)
増えた荷物を置きにホテルへ戻る。途中見つけたパン屋さんでお昼に食べるものを買って。

部屋で軽くお昼を取り、休憩。さっきぶらぶらしていて見つけたオステルリー・ド・プレザンス。メニューが外に貼りだされていたので、あと1軒良いなぁと思うビストロとでどちらにするか相談して、携帯から予約の電話を入れてみる。プレザンスで予約が取れた。満室で泊まることは出来なかったので、これは嬉しい。昼食後、また街を散歩。今度はあの有名なモノリット教会前の広場(Place de L'Eglise Monolithe)のあたりを歩いて、街の南のほうへ歩いてみた。こちらもワインショップや飲食店が立ち並ぶ。

城壁から外へ出るすぐにとブドウ畑。ならばオーゾンヌを見ないわけにはいかない、と雨の中、1キロほど歩いて行くと、立派な石垣に囲まれたシャトー・オーゾンヌ(Chateau Ausone)が見えて来る。ひときわ目立つ畑、気のせいかオーラまで感じてしまう。地下に石切り場を利用した風のセラーがあるのか、入り口を修理しているようだった。で、お向かいにはシャトー・ムーラン・サンジョルジュ(Ch. Moulin St-George)が。ここはオーゾンヌと同じ所有者とのことで飲んだことがある。小さな事務所みたいなところで直売している様子で、おじさんがちらちらこちらを見ている。中へ入ってみると、試飲させてくれる。新しいヴィンテージばかりで、80年代はあるけれどマグナムばかり。2000年を1本だけ頂いて外へ出る。


*雨の中の畑散策 (画像にマウスポインタを置いて見てください)

ホテルへ戻り荷物を置きタクシーを呼んでもらって、シャトー・シュヴァル・ブラン(Chateau Cheval Blanc)へ向かう。残念ながら収穫期のためアポは取れなかったので、外からでも見たいと向かったのだけれど、タクシーは並木道を通ってどんどん敷地内の奥へ。シャトーの建物の真ん前で下ろしてくれた。せっかくなので写真だけ撮って、畑を眺めながら敷地の外へ出る。外側を走る道を歩いて実感するのだけれど、シャトーもサンテミリオンの中では立派な方だけれど、本当に大きな敷地。サンテミリオンでも最大級なのではないかと思う。それに、このコート地区は広々としていて起伏が無くて平面的な土地。これが道路1本隔てたポムロールまで続いているのだから、見晴らしは良く、ポムロールの「あの」教会が見えている。
シャトー・シュヴァル・ブランのシャトー
シュヴァル・ブランのブドウ。一部もう収穫に入っていたらしい。

10分ほど歩いただろうか、やっとお隣のシャトー・ラ・コンセイヤント(Chateau la Conseillante)の看板が。ここからがポムロール。
ラ・コンセイヤントラ・コンセイヤントの畑。粘土質です

ガザン。見渡す限りガザン。
コンセイヤントのそっけないシャトーを過ぎると大き過ぎるほど広大なシャトー・ガザン(Chateau Gazin)。まだガザン?えーっ、まだガザン?と文句を言いながら歩いていると、あのムエックス軍団が近づいてきた。
右ペトリュスの畑、左奥がラフルール、手前ペトリュス。建物はムエックス社

ペトリュス ペトリュスのゴミ箱
まずは、シャトー・ラ・フルール・ド・ペトリュス(Chateau La Fleur de Petrus)。花壇の手入れをしている男性がいて、この雨の中何やってんの?という感じて見ていた。そして右手に夫の憧れシャトー、ラフルール(Chateau Lafleur)。そしてペトリュスはどこ?見回しても刻まれた碑も見当たらないし、どこだろうとムエックスの裏に回ると「PETRUS」と書かれたゴミ箱を発見。初めてペトリュスの文字を発見したのでパチリ。そしてここじゃないかという場所へ戻って低い苔だらけの石碑をじーっと見ると、分かりにくけれど、ペトリュス(Chateau Petrus)と書かれている。双方とも樹齢がかなり高そうで、間隔を広く開けて植えられていて堂々たるもの。
この時点であと1時間ほどアポまである。雨宿りするところも無い、一面畑ばかり。とにかく歩くしかない。その先は、ラフルール・ド・ゲやル・ゲ、色々あった。しかし、夢中で歩いていたとは言え、段々寒さがこたえて来る。早めにシャトーへ入れていただこうと、目的地へ向かう。
ラフルール。なだらかな斜面が美しい
ペトリュスとポムロールの教会


*ヴィユー・シャトー・セルタン訪問

先のペトリュスの先に見える、この辺りでも目を引く立派な建物を持つシャトー、ヴィユー・シャトー・セルタン(Vieux Chateau Certan)。シャトーの裏へ回ると、窓ガラス越しに女性が手招きをする。フランス語で何やら言ってくれているのだけど、ランデヴーだと言うとあちらへと指差してくれた方へ向かう。当主ティエンポン氏の秘書だという女性が扉を開けてくれ、立派なサロンへ通してくれた。雨の中長く歩いて来たので、ちょっと身なりを整えなければ、とお手洗いをかりる。外を見ると雨は止んでいる。


サロンへ戻り大きな皮製のソファに座っていると秘書さんが「当主は忙しいので私がご案内します」と言っていたのに、当主アレクサンドル・ティエンポン氏が「お待たせして・・」と、現れた。背の高いすらっとした上品な顔立ちの紳士。さあ、外へ出ましょう・・・と、芝生の庭園を歩きながら、どこから来たのか、などと話す。私達2人だけでティエンポン氏が案内して下さるとは・・感激して舞い上がってしまい、うまく英語のボキャブラリーが出てこず、舌がもつれる感じがした。しかし、このあたりでは名門で有名な方なのに、全く偉ぶった感じはなくて、段々リラックスして色々お話をうかがうことが出来た。やはりこれも人徳なのだなぁと夫と感心しきり。
そしてブドウ畑へ。まずはシャトーの持つぶどう園の概要など説明、それから私達の質問に答えて下さった。結構畑での説明の時間を取られていたところを見ると、やはり畑、ぶどうが大事という思いが強い方で、情熱的に話して下さった。

醸造所へ入ると、大きな発酵樽(木樽)が並んでいる。こんな古臭いやり方で、などと言われた時期もあったけれど、うちはずっとこれでやってきて、最近見直されてきてるんだよ、とのこと。セラーへ入ると、また美しく整然と小樽が並んでいる。昨日オーブリオンへ行った時にも感じたけれど、本当にきれいにお掃除が行き届いている。


ティエンポン氏が、さあテイスティングしましょう・・・と、奥のセラーからハーフボトルを3本手にして言われる。今日は99年、2000年、2001年と試すそうで、このハーフボトルは非売品、シャトーでのテイスティング用のものらしい。2001年はブショネだったそうで(我々には感じないレベル)、こういったボトルはレストランでは突き返さないといけませんよ、と、吐器に捨ててしまわれた。やはり2000年は偉大なワイン、1999は親しみやすい仕上がりになっていて、それぞれにカベルネの年、メルローの年と特徴づけられていた。そして、今夜の楽しみにいかがですか?と、残ったボトルをお土産に頂いた。サロンへ戻り、私達からも例の金平糖を差し上げたら、4人のこども達と頂くよ・・と喜んで下さった。お子さん達は20代後半らしいけれど、ご本人のお年を聞いてびっくり!かなりお若く見える。

帰りの足はどうされるのですか?と聞かれ、秘書の方にタクシーをお願いしたのですが・・と言うと、ティエンポン氏が調べにいって下さると、私達の訪問が長引き待ち切れずに秘書の方は帰ってしまわれたらしい。ならば私がお送りましょう、とティエンポン氏。ええっ!?そんな良いのですか?と恐縮してしまう。しかし、お言葉に甘えて、「醜い車でお恥ずかしい」とおっしゃるプジョーに乗せていただいた。車内の足元は土だらけで、これはきっと畑用の車。やっぱり畑にしょっちゅう行かれているんだなぁと感じた。サンテミリオンへ真っ直ぐ行かず、同じくティエンポン氏所有のル・パン(Le Pin)の畑へも回って下さった。まさにガレージワイン。掘っ立て小屋のような簡素なシャトーが建っていて、その傍らには松(フランス語で「パン」)が植えられていた。畑の広めのあぜ道へ車で入って行く。なるほど、無駄に広いと思っていたあぜ道はそのためだったのか・・・・それからティエンポン氏お気に入りだというトロタノワ、フィジャックの庭園と回って、サンテミリオンへ。何とお礼して良いのやら、言葉の限りのお礼を述べて車をあとにした。車を降りて、夫と顔を見合わせて、すごい人だ〜と感激。(出来る限り、氏の目の前で日本語を話さないようにしていたので・・・)
写真を一緒に撮って頂くのもサインを頂くのも忘れていた・・後で気付いたのだけれど。それに一体何時間私達のために割いて下さったのだろう?



*オステルリー・ド・プレザンスHostellerie de Plaisanceにて夕食


興奮さめやらぬまま、ホテルへ戻り着替える。頂いたワインは今夜は頂くことが出来ないけれど、明日の楽しみに。今夜のディナーは、今回の旅行で1つめのミシュラン星つきレストランにて。(1つ星)夫と2人石畳の道を歩いてプレザンスへ向かう。何だかロマンチック。
オステルリー・ド・プレザンスはとても上品で瀟洒な館。中へ入ってレセプションで名前を告げると、レストランの奥に細長いサロンへ。通路を挟んで左右のテーブルにはすでにゲストでうまっていて、一番奥の窓側の席へ案内された。何だか端っこに追いやられるのかなぁと思えば、窓の外は絶景。あのモノリット教会前の広場を見下ろす景色・・・何てステキなのでしょう。アミューズをつまみながらカルトを開く。お料理はムニュに、ワインは夫におまかせ。このホテルはシャトー・パヴィのオーナーが所有しているというだけあって、やはりパヴィ系が多くオンリストされている模様。夫が目をつけたシャトー・パヴィ・デュセス(Ch Pavie Ducesse)89。ソムリエに聞いてみると、今飲まれて美味しいですとのことで決定。お料理はどれも期待以上にハイレベルでびっくり!このお値段で・・(なんと私達の選んだムニュは50ユーロ弱)
レストランは9時前にはほぼ満席。スタッフは5〜6名が入れ替わり立ち代りやってくる。みな黒のスーツ姿なので、少し威圧感はあるかも。むっつり系、お笑い系、二枚目系と色々。シェフはお忙しいのか?ささーっと挨拶されただけだったので、食べていたお皿をほめただけ。結構お若い方だったように記憶している。ゲストは私達以外全員白人客。私達の左隣は英語を話すカップルがシャトー・パヴィ98を開けていて、途中中座すること数回。ワインが開くのを待っているのだろうか。そして反対側の隣は中年のカップル。グラスワインで色々頼んで、楽しそうに食事されている。あちらの旦那さんがデジカメでお料理の写真をパチリと撮られているのを見てると、今度は私が持ってる超小型デジカメが気になるご様子。それは何万画素ですか?という話からおしゃべりが始まった。あちらはオーストラリアから6週間のヴァカンスをフランスで過ごしているそうで、あちこちのレストランを食べ歩かれているそう。画像であちこちのお料理を拝見。昨日はサンテミリオンのグラン・バライユに行かれたとか。その後、旅行の話、仕事の話と、とめどなく話が続いて・・・気が付いたら、レストランには我々2組だけ。

 
アミューズは、1品目はグリッシーニにチーズをカリッとさせたおせんべい、生ハムにメロン。
2品目、ガスパッチョだったと思う・・

アミューズ3品目、ミニポテトに?のパテにトリュフ、右のオマールのヴィシソワーズは絶品!
いくらでもお代わりしたい・・なんて。

アントレ
左は夫が選んだ春巻きにジロール茸満載の一品。スープは何だっけ・・しかし、サンテミリオンで夫の苦手な青じそにお目にかかるとは思わなかった。
右は私のフォワグラ入りラザニア。これも美味・・・本当にいいお味。


左は夫のルジェのポワレ。しっとり美味しかったそう。
右は私のポーク(何ポークか忘れました)は焼き加減は好きだけど、ソースが甘くて甘くて。トッピングされたキノコ類は美味しかったし、ラップみたいにかかっているのは、無色透明なのに味が深くてびっくり!ソースだけが残念な一品。


そしてフロマージュ。ブリ・ド・モーにマスカルポーネソース。ハーブが効いてて、これまた美味。
パヴィ・デュセスはデキャンタージュされたものを。若々しくヴィヴィッドなワイン。


アヴァンデセール
チェリーのミルフィーユ・・だったと思う。ぺろりと。美味しかった。

私のデセール
左から順番にいただきます。隣のテーブルと喋り続けていたので何が出たのかは忘れたけれど、
実にフォトジェニックなデセール。


夫のデセール プルーンづくし
右 レストランの様子


豪華なサロンへ移ってコーヒーを。マカロン、カヌレを添えて。

すっかり良い気分でホテルへ帰る。クロークに預けたコートのことはすっかり忘れていた。
楽しい一日だった。


飲んだワイン: ヴィユー・シャトー・セルタン 99・00・01
シャトー・パヴィ・デュセス 89

↑Top

4日目へもどる  6日目へ